ケース2 親権離婚をする方向で夫と話し合っています。私はこれまで専業主婦として育児をしてきましたので、子どもと離れて生活をすることは考えられませんが、夫には、経済力のない私は親権者にはなれないと言われてしましました。私が親権者になることは無理なのでしょうか? 

親権とは

 未成年の子がいる場合、夫婦のどちらが親権者になるかを明記しなければ離婚届は受理されません。離婚後に決めることが許されているその他の問題(養育費、面会交流、財産分与、慰謝料、年金分割)とは、重要度が異なるのです。
 ちなみに、親権者とは、未成年の子を養育監護し、財産を管理し、子を代理して法律行為をする権利を有し義務を負う者のことをいいます。

親権の決め方

 協議離婚の場合には、親権も父母の協議で決めますが、双方が親権を望んでいるなど意見が対立している場合には、離婚調停の申立てが必要になります。調停でも合意が成立しない場合には、裁判所が判決で親権者を定めます。

裁判所の判断

 裁判所は、父母のどちらが親権者になることが「子の利益」になるかという観点から判断をしますが、その際には、「主たる監護者(主に育児をしてきた者)」がどちらであるかが重要な判断要素となります。主たる監護者と子との間に形成された愛着関係や心理的絆は、離婚後も維持されるべきであると考えられているからです。
 家庭裁判所調査官からは、これまでの子の監護について詳細な聞き取りを受けます。もっとも、裁判所も「完璧な育児」を要求しているわけではありませんので、過剰な心配は無用です。

 その他にも、現状の監護の継続性、監護態勢、監護補助者の有無、子の年齢、子の意思(15歳以上の場合は意向の聴取が必須)、きょうだい不分離など、様々な要素を考慮して裁判所は判断します。

 ひとり親として子を育てていく上で経済力は確かに大切ですが、養育費や児童扶養手当によって補える部分もありますし、自立までの繋ぎとして生活保護を受給することも考えられます。母子生活自立支援施設などを利用できる場合もあります。
 現在の経済力は、親権を諦める理由にはなりません。ちなみに、一度親権を決めた後に、親権者変更で争うことは、とても大変です。お子さんにとってあなたとの生活が必要なのであれば、離婚の際にきちんと主張しましょう。

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